沼南ラジオ工作室
トリオSSB送信機、受信機=TX−310&JR−310復活
       


2011年9月から10月にかけてトリオの3.5〜50メガのSSB送信機TX−310(上)、受信機JR−310(下)を修復しました。30年前まで使用していたのですが、それ以来自宅の押入の中にしまい込んでいたものです。埃まみれの汚れを落としたけれど受信機の電源用プッシュスイッチが入らない。「KURE5−56」をひと吹きして、がちゃがちゃしたら通電OK。でも、受信機としてはまだ動作しませんでした。写真は、あれこれいじり回して、なんとか動作するようになった310ライン。10ワットの出力を得るために、なんと大げさな装置になるのか、と時代の差を感じました。



トリオ310ライン復活
まずは、受信機(JR−310)のチェックから
       

   

アンテナをつないでも何も聞こえないので、周波数カウンタとオシレータで検波側からアンテナ側に向けて信号チェックを開始しました。低周波段だけは働いているみたい。  @@@



トリオ310ライン復活
JR−310、ゆったりしたスペースの内部
       


アクセサリ回路(マーカーなど)を組み込めるように真空管の穴が用意されていて、とてもアマチュア無線的な雰囲気です。四角いVFOボックスの向こう側がRF、手前がIF段でかわいいメカフィル(TOKO製)が付いています。その奥がAF段、もちろんVFO部以外は真空管です。



トリオ310ライン復活
何も聞こえないので、真空管を疑ってみた
       


455キロヘルツの信号の強さがIF段の入り口と出口で変わらない? ためしに真空管(6BA6)を2本とも交換したら、音が大きくなった。結局ここが問題だったみたいで、あとは低周波出力の600Ω端子に電圧計を付けてIFTやコイルコアを回して調整。とりあえず7メガだけはなんとか聞こえるようになりました。



トリオ310ライン復活
送信機(TX−310)とトランシーブ
       


一応受信が出来たので送信機TX−310のテスト。VXOだが、クリスタルが無いので、受信機をつながければならない。マニュアルを見て新たにこの2束のケーブルを作成しました。トランシーブ操作の時受信機のVFOの電源は送信機側で安定化した電源から供給するようになっていました。細い同軸ケーブルのかわりにシールド線を使っています。



トリオ310ライン復活
送信機(TX−310)内部
       


TX−310内部。左手前がSSBジェネレータでクリスタルフィルタは3395キロヘルツです。この部分以外は真空管です。32年前(1979年)に中古で購入したとき、各バリコンのドライブ用ゴムベルトがぼろぼろだったのでメーカーからチェーンとギアを取り寄せ、交換していたのは幸いでした。さもないとちょと使えなかったかも。



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出力が出ない。がんばって2ワットです
       


受信機とトランシーブ動作で送信テストしますが、CWでもプレート(メータで読んでいるのはカソードですが)電流がほとんど増えない。信号レベルを追って行くと、ファイナルのS−2001がきちんと働いていないようです。バイアス調整を繰り返しますが、最大で2ワットぐらい。ちょっとさびしい。高圧ケースの中のS−2001を交換してみることにしました。



トリオ310ライン復活
手持ちの真空管を探してみると
       


手持ちはS−2001が2本と6146が1本です。ともに古いし、内部が黒ずんでいる。1本の2001などはプレートに焼けたような模様もあったり・・・。結局秋葉原で新たに購入ということになりました。S−2001のほうが安いと思いきや、GE製しかなくてVY高価。結局6146Bを金4000円也で購入して、換装しました。



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新しい球で送信テスト。10ワットOK!
       


ファイナルを差し替えることで、出力はCWで10ワットが出るようになり、万歳! さらにドライブの12BY7も交換し、14、21メガでも10ワット出力を確認。SSBではマイクのゲインが低いのか、ボリウムを最大にしても大声を出さないとパワー計が振れませんが、これはマイクアンプなどでゲインをあげられると判断し追加することにしました。



トリオ310ライン復活
発熱対策は真空管の延命策
       


このリグは当局の移動局免許の第一装置として登録してあるので、まずはSSBで交信実験すると、コンディションしだいで、7メガでも国内交信には使用できることを実感しました。そこで気になっていた発熱対策にTXのファイナル部分のケース後部にファンを取り付けました。ケースの穴の隙間から空気を吸い出すので効率はよくありませんが、手でケースをさわって見た感じでは若干の効果はありそうです。



トリオ310ライン復活
トランジスタ1本のマイクアンプを追加
       


マイクは、最初トリオの2メータハンディ機TR−2200Gに付いていたもの(4本ピン)を使っていましたが、手持ちのミズホ通信のマイクをTR1本で増幅して付けました。これで、マイクに向かって大声を張り上げる必要がなくなりました。
10月13日早朝、7メガSSBでOE3(オーストリア)局をコールしたら「RS58」のレポートをもらいました。残念ながら受信した時には見失われていましたけれど・・・・。
また、同日夜、おなじみのローカル局と21メガで交信したら、キャリアもれと、マイクゲイン上げすぎで歪んでいるとのレポートをもらい、あわててボリウムをしぼりました。JA1BAC、JA1LNQ、JA1LTF各局TNX。なにはともあれ、昔のリグが一応使えるようになりました。