2022年5月某日メールにてMK−1024の修理について問い合わせが入ってきた。
症状はエレキーの信号発生はできるけれど無線機につなぐとキーイングができないとのこと。 |
ACプラグをコンセントに差し込み、スイッチONしてパドル操作してみる。モニター音のVRにガリはあるけれどオート、セミオートの正常動作を確認。
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チェックポイントは「キー駆動回路部分」なのだが、今、ここで見えるそれらしき関連部品はリレーと出力端子裏のフィルタ部分のみ。 |
Keying回路自体は、やはりエレキー基板内部に乗っているもよう。それは事前に回路図を見れば分かったことだったのだが・・・。 |
黄色い線で囲んだところがKeying回路部分で、ケースに直に取付られたリレー、フィルタ、外部接続端子までの部分を除けば、基板上の部品はトランジスタ2本とCR類のみ。希望的観測ではトランジスタを交換するだけでOKとなるのではないか、、、? 、と、予測。
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最初に眼にとまった小さいアルミの放熱板に挟まれたトランジスタ周辺は電源の整流と安定回路だった。 |
以前行ったMK−1024の修理はメッセージメモリ基板上の問題個所は不明で、しかも両面パターンのため、回路動作の解析や部品交換作業上絶対必要だったのだけれど、今回は絶対必要になるものではない。 |
パターン図の紙の上に重ねたトレーシングぺーパーに部品記号を書き込み、そのままプリンタでコピーすると、1枚の絵になる。
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メッセージ・メモリは両面パターン基板だが、こちらは片面パターン基板。 |
トランジスタ交換は簡単に出来る2SC945からのつもりで再び基板を裏返し、よく見るとなんだかその2SC945の様子がおかしい。表、裏ひっくり返しながら基板パターンを追っている時は、うっかり見落としてたのだが、、、。 |
MK−1024の取り扱い説明書にも「注意」として、記されている。
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パターン面はハンダ山盛りなので、「945」の脚を基板の上側に少し残して切り、それに2SC1815の脚を継ぎ足す。まずは動作を確認するための仮付けなので、こんなイナバウアーになっているのだが。 |
TRスイッチの要となる2SB546は手もとに無く、互換品を探すことになるかと思ったのだが、秋葉原の若松通商に同じTRがあった。早速入手。 |
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●プラグ差し込むだけで送信状態 |
自分の無線機(FT2000D)のテストでは、「TRスイッチ使用時はプラグを5ミリぐらい抜く」という疑問点を残しながら、当初の、「キー(パドル)操作でトランシーバのKEY駆動が出来ない」という故障は解消した。 |
以前、MK−1024のメッセー・メモリ基板のトラブル修復に挑戦した時は、TTLの回路が分からず、各デバイスの学習から取り組むことになったのだが、今回のKeying回路は自分としては馴染んできたアナログ的な部分。正直、なんとかなると思った取り組みだったけれど、お得意の自己流対処療法では、現象面では修復したけれど、すっきりしない気分が残った。 |
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