沼南ラジオ工作室2014年2月19日
7メガ用SSBラジオの製作=真空管3球、プロダクト検波
製作記事として掲載した受信機について読者の方から質問を受けましたが、実機が手元になく、回路動作検証用に簡単なSSBラジオを製作しました。 以前掲載したのは高周波1段付きプロダクト検波の5球スーパーでしたが、今回は手元にある自作3球中波ラジオの部材を使い、高周波増幅なし、3球プロダクト検波SSB/CWラジオとしてみました。 7メガのダブレットをつなぐと思いの外、良好に聞こえるので、みなさんの交信をラジオのトーク番組のように楽しめます。
キャビネット組み込みのため
パネルはありません
同調回路は自作コイルとトリマコンデンサで7メガヘルツに合わせ、OSC部に入れた10PFのミゼットVCで受信周波数を変化させています。周波数変化の範囲は7メガバンドのうち150KHzしか広がらなかったので、今後、もう少し容量のあるVCに取り替え予定です。 BFO部はトランジスタ1本で発振にはセラミックフィルタを使用。低周波部は音声増幅IC、TA7368でスピーカを鳴らします。
家庭のラジオで偶然聞いたハムの交信が
きっかけて・・ということがかつてはありましたが・・・
2011年夏、、このラジオのきっかけになった「SSB7メガ用5球スーパーラジオ」を電子工作マガジン誌に掲載させていただいた時は、私が子供の頃、家庭ラジオでアマチュア無線家のAM電波の交信を聞くことができ、それが無線の世界への第一歩になったのに、現在の短波帯SSB電波では、通信を聞くことができない。まず、通信を聞いて、ハムを知ろう、というコンセプトでした。 回路も簡略化、大きなシャーシにゆったりと、実体配線図が描きやすいように製作したものでした。 しかし、今回はその必要がないので20センチ×15センチの小さいシャーシに詰め込みました。
並四用電源トランスから三つの電源を取り出す
真空管、TR、IC、それぞれ別個に
このラジオの元になった中波ラジオは6BE6−6BA6−6BM8の3球で、しばらく鳴らしていると電源トランスがアツアツになっていました。今回のラジオのポイントはプロダクト検波なので、6BM8を6BE6に付け替え、低周波増幅はTA7368にしました。BFOはセラミックフィルタを発振に使う、製作記事オリジナルなのでそのままの回路です。 TRは5V端子にブリッジ整流器、ICアンプは真空管ヒータの6.3V端子から半波整流でレギュレータを通し5Vを取り出しました。 DC電源を別にしたのは、アンプの電流変化がBFOに影響しないようにするためです。おかげ? で、安定に聞こえています。 電源トランスもナマ温くなるだけです。
プロダクト検波
真空管3球のSSB/CWラジオ回路構成
もとは6BE6−6BA6−ダイオード検波−6BM8という中波3球スーパーでしたが、
検波部を6BE6を使ったプロダクト検波にしました。BFOはセラミックフィルタを発振に使用しています。音声増幅部は6BM8をやめ、オーディオIC、TS7368でスピーカを鳴らしています。 これもまた良く聞こえます。外観もまさしく”ラジオ”。ここからモールス符号やアマチュア無線のSSB通信が聞こえてくると、ちょっと不思議な感じです。アンテナはやはり20メータのダブレットです。10メーター程度のビニール線でもいいですが、ちょっと感度は下がります。
7メガ専用受信としてコイルを巻きます。
100PFトリマコンデンサを並列にして7メガバンドのみに同調させています。
もとのAMラジオのポリバリコンでは7メガバンドはダイヤルの針1ミリ位の間に入ってしまい、交信を聞き分けるのは至難の業でした。コイルと並列に100PF程度のトリマコンデンサをつないで、7メガ専用のラジオとしました。 OSC(局発)側、アンテナ側にそれぞれ10PFのミゼットバリコンを付けてバンドスプレッドとし、ダイヤルいっぱいにバンドが展開するようにしました。局発の10PFでは、150KHz程度しか展開しないので、もう少し容量のおおおきなミゼットバリコンが必要でしたが手持ちがないのでいずれ改造することにしました。
プロダクト検波部分の回路と電圧
動作している状態の電圧値はこんな様子
BFOからは456〜567KHzを注入
本機のポイントは、このプロダクト検波部分で、他は5球スーパーとあまり変化ありません。
IFからの信号とBFOからの信号がうまくMIXされることで2乗検波の効果が得られるのですが、セラフィルによるBFO周波数合わせてIF周波数を調整する必要があるかもしれません。 なにはともあれ、このSSBラジオ、良好に動作しています。アンテナは10メートルのビニール線でも一応は聞こえますが、やはり20メートルのダブレットが最適です。
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