このメカニカル・フィルタが使えるだろうか?
       


取り出した基板■メカフィル基板は真っ黒でした■


FR400のメカフィルは仕様により1個から4個が搭載されたようですがこの基板には4つ載っていました。
CW用600Hz、SSB/AMナロー用2.4KHzの二つが金属ケースの国際電気製、AMワイド用4KHz、FM用24KHzがモールドの東光製です。

とりあえず金属ケースの国際電気のCWとSSB用をハンダ付けを外して取り出しました。ケースをこじ開けて見ると、話に聞いていたとおり内部のスポンジがぼろぼろです。
これも話に聞く洗浄とやらをやってみるといいのでしょうか?




メカニカル・フィルタの洗浄に挑戦
       


洗浄■ アルコールで洗ってみる ■


まず、CW用の600Hzのメカフィルを分解します。べとべとでボロボロのスポンジをそおっとふき取り、洗浄に適当なものはにか考えた末、アルコールに浸してみました。
振動板の部分は、綿棒の先で磨きましたが、両端のコイル部はあまりいじると切れそうなので、カップの中で揺すってきれいにしました。
そのあとは流水で洗い、自然乾燥させました。見た目にはきれいですが、これをまたケースに納めて使うことができるのか??




再びケースに納めます
       


スポンジのかわりスポンジ代わり座布団として何を ?


スポンジ状の物質に替わるものとして、綿状の化学繊維? でつつみ、紙ケースに納めたあと金属ケースをかぶせました。
もちろん紙のけースもアルコールで掃除して、よごれはきれいにふき取りました。金属ケースをかぶせ、爪を曲げて固定してもとの形にもどりました。
前後のマッチングコイルは、とりあえずTR用の段間用IFT(白コア)を使うことで、先に製作した真空管SSB用ラジオのIFTとさし替えてみます。ただしそのままでは、減衰すると思われるのでTRで一段増幅することにしました。
IFTを外して、この基板を配線してみました。はたして、その結果は?




2011年11月。さらなる研究が必要ですがひとまずお休み
       


とりあえず中止■ 何にも聞こえない■


残念なことに一段めのIFTをはずして、この基板を付けただけでは、何にも聞こえない。そしてそこから検証しながら問題解決していかなければならないのですが、今回は、少し疲れたのでFRDX400から取り外した455のIFTの一本を加えて、集中型IFTとすることで、問題解決は後送りにすることにしました。
今回は手を付けていないSSB用のフィルタも試してみる予定です。


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★★★2011年末以来、2年間の眠りからさめて。2013年1月、メカフィル復活成功★★★
いろいろありました
       


メカフィル接続回路を見るFR−DX−400のメカフィルの回路を見る


一度失敗してしばらく手を付けなかったメカニカルフィルタ復活。計画中のAM送信機の受信用として真空管SSBラジオを実用機にアップグレードするべく、2013年1月、再挑戦! 
FR−DX−400の回路図でメカフィル部分を見るとプレート側の抵抗からコンデンサを通してそのまま受けている。そこで、前回試みたTR増幅部を廃し、抵抗とコンデンサ入力だけにしました。
しかし、やはり動作せず。それどころかスピーカからビシッ、ピシッと鈍い音が出る。メカフィル入力に付けたセラミックコンデンサがパンクしかかっている!!! 耐圧を考えていませんでした。ここは250V以上必要だったのです。
修正したが、やはり動作せず。先の洗浄時に壊してしまったのかもしれないと、あきらめてCW用メカフィルについて、洗浄から再度同じことを繰り返してみることにしました。





アルコールによる液体洗浄がまずかったのか?
今度は乾式クリーニングでやってみる
       


CW用メカフィルオープン!CW用メカフィルで再挑戦


部品取りのシャーシにはメカフィルが4本装着してありました。SSB用がだめだったのでその隣のCW用(MF−455−03AZ)をこじ開けます。SSB用と同じように、ぼろぼろのスポンジが現れます。前回のSSB用はいきなりアルコールにドボンと浸けましたが、今回は「そおっと、そおっと」歯ブラシの毛先でスポンジくずを取り除いていくことにします。
ぱらぱらと崩れるスポンジくずの中から結構きれいな円盤の連続が顔を出しました。なにも液体洗浄までする必要はないようです。
取りきれないで残った底部のスポンジのべとべとが効いているだけかもしれませんが、共振円盤はベースに接着されているように固定しています。これは扱いやすいです。
前回のSSB用はいきなりアルコールに浸けてしまったので、内部共振ユニット自体を固定する方法がなく、ケースの中でぶらぶらする「ただ置いてるだけ」、のしまつにおえない状態になってました。
それこそ綿でくるんで収納するしかなかったのです。





歯ブラシだけで結構きれいになりました
なので、そのままケースにもどしてみました
       


きれいな内部ユニバーサル基板にRFCとコンデンサを付けて


きちんと? 固定されているので、綿などでくるまずに紙ケースと金属ケースに収めてみます。集中型にしてあるIF段の最初のIFTとそのまま換装できるよう、ユニバーサル基板にRFC(4mH)とコンデンサ(0.01μF)を乗せてメカフィル基板にしました。先のSSBはこれが抵抗とコンデンサだったわけです。
結果は? DDS−VFOを回して7メガ帯を受信すると、かすかに電信音が聞こえてきます。周波数カウンタで確認しながらフィルタ以降のIFTの同調周波数を正確に455にあわせ、BFOの周波数を微調整していくと感度が上がってきました。アンテナつなぐと一応受信できます。でも集中型IFTに比べると相当静かです。大丈夫かな? 
翌朝、同じ状態でスイッチを入れると、おおっ! 結構聞こえるじゃないか! 昨夜はコンディションが悪かったのか? IFTの時電信バンドは電信の大合唱のようだったのですが、ほぼ1局ごとに聞こえる。これは感激。しかしゲイン(感度)はIFTとBFOの調整で微妙に変化するので調整が面倒。いつも調整ドライバを片手に受信するようなことになります。ちなみにBFOは6BA6と455キロヘルツのBFO用コイルによるものです。この状態でしばらく使いましたがSSBの受信音がどうにも堅い。キンキンした音になってしまいます。電信用受信機と割り切ってしまえばよいのですが。
結論としては使いずらいです。水晶発振のBFOにして、BFO信号の安定化を図ることにしました。




SSB用メカフィル第2弾GET! 
BFOを水晶発振にして安定度、感度、選択度ともに良好に
       


CWメカフィルからSSBメカフィルへもう一つのSSB用メカフィルをGET


メカフィル前後のコイルは、初回は455キロヘルツのIFTを利用していましたが、今回はもともと使われていたコイルをそのまま使用しました。基板からはずしてみると、裏側は平らで、普通のIFTのようにコンデンサは付いていません。
メカフィル基板を別に作り、下図のような接続にして乗せ直します。
IF回路の各コイル、BFOは455キロヘルツをはずれないように調整しますが、BFOが微妙に影響してしまいます。めんどうなので、たまたま453.5キロヘルツの水晶発振子があったので、2SC1815を使ってBFOとすることにしました。
CW用のせいか、SSBの音の帯域が狭く感じられるので、新たに入手した別のSSB用(10AZ)で、同じ作業に再々挑戦しました。
クリスタル式BFOとの組み合わせも功を奏したのか、感度、安定度、選択度に一応満足できるラジオになりました。




SSBメカフィル復活作戦の総括と 
高1中3真空管式ラジオへの接続例
       


メカフィル前後のコイルは付属品を利用しました。真空管式高1中3ラジオへの装着成功


成功しなかった「メカニカルフィルタ復活」第1回めはアルコール洗浄して綿でくるんだSSB用(MF−455−10AZ)でした。 今回の再挑戦では
CW用(MF−455−03AZ)はドライクリーニングが功を奏したのか、一応動作を確認するものの、メカフィル以降のIFT調整やBFO調整がクリティカルでなぜか動作が不安定でした。さらに当然かもしれませんが、SSB受信では音声がキンキンして聞きづらいという問題に突き当たりました。
AM用(MF4551050)TOKO製は、完全に動作するもの、選択度は自作のセラフィル入りIFTと変わらず、CW用としては実用的ではありませんでした。
最終段階として送信機、FL400DXから取り出したSSB用(MF−455−10AZ)とクリスタル式BFOの組み合わせで、当初の目標どおりに完全動作させることができました。
真空管式ラジオへのこのメカフィルの挿入は上図が入力側、下図が出力側です。




外部VFO式メカフィル搭載真空管ラジオ完成 
前面パネルもダイヤル窓をふさいで専用機に体裁変更。
       


メカフィル前後のコイルは付属品を利用しました。真空管式高1中3ラジオ。外部VFO専用機としてのパネル体裁変更



約1ヶ月ごしのメカフィル復活研究もどうやら成功したようです。こんどこそ、感度、安定度、選択度に一応満足できるラジオになりました。7メガ専用ですが。
いままでバンドスプレッドダイヤル窓をふさぎ、完全に外部VFO式ラジオに生まれ変わりました。今は、送信機用のDDSーVFOを流用していますが、この後、専用DDS−VFOを製作して実用的受信機が完成する見込みです。
下の写真は、TOKO製のAM用メカフィルです。完全動作しますが、普通のIFTとの差は感じられませんでした。




2013年1月。あれから2年。ようやく目的達成
       


MF付きラジオ完成■ メカニカルフィルタ復活成功■


2年前、装着した動作しないメカフィルをはずし、集中型IFTにした、あの高1中2ラジオがようやくSSB用メカフィル付き高1中3、DDS−VFO制御式受信機に変身。今回、とりかかって4週間、何度もあきらめかけましたが、絶対できるの信念のもと理論抜きの無手勝流で取り組んだ結果成功しました。時間がいっぱいあるからでしょうね。その間、無線電波はほとんど出すことはありませんでした。
長い休みのあと再開したメカフィル復活。これで終了となります。残ったCW用やAM、FM用のメカフィルは、今後別の製作に活用していきたいと考えています。 ■2013年1月24日(木)


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