沼南(しょうなん)ラジオ工作室 「電鍵」工作日誌 2019年1月

=== (●●)2KEY縦押し式犬型バグキー ===
           



□(●●1)バグキーだけれど犬がしっぽを振る□

犬をあしらったこの物体は、2018年戌年の干支にちなんで製作した「2釦縦押し式半自動電鍵(バグキー)」です。もとは、手作りのバグキーを作るたびにノブを左右に振るとかまぼこ板の土台も左右に付いてきてしまうので、製作のたびに重たい土台を探すのに苦労していました。そこで、重たい土台なしに操作できるバグキーが出来ないものかを考える中で発想したのが電鍵製作ページのNO.14です。さらにそれを改良したのが同じくNO.15の鳥型KEYです。二つのノブを斜め上から斜め下に押しつけるようにする方法で、特に重たい土台なしのバグキーとなりました。
この犬型はそれと同じ構造の第2号となりますが、NO.15では短点符号と同時に鳥がピョコピョコ首を振るのに対し、この犬型はしっぽをぴょんぴょん振ります。



(●●2) 犬型バグキーのおもな部材を作る
       




□(●●2)加工した部材をもとに組み立て開始 □


   土台となる木板はかまぼこ板より少し大きめ。短・長各ノブは、かまぼこ板を糸ノコで犬の形に切り出したもの。小粒のネオジウム磁石が付いているりんせい銅の帯はこのKEYのもっとも需要な振動部分です。帯状に切ってハンダ付け加工。それを受け止める固定磁石の帯はアルミ板を曲げて作成しています。
左奥にある斜めになっているのが木片上に固定した磁気センサースイッチ(リードスイッチ)です。振動板上のネオジウム磁石の移動パターンにあわせて斜めに設置するようにしてあります。  





(●●3)二つの犬型ノブを板上に乗せてみる
       



□↑(●●3)犬の形をした二つのノブを縦に押す。左が短点連続になる □


   まだ荒削りのままの犬型ノブですが、土台板の上に、曲げたアルミ板とネジで取りつけてみたところ。右は長点用で裏側に小さいバネをしこんで、自分で首を持ち上げます。左の短点用はりんせい銅の振動板の弾性を利用して首を上げます。




(●●4)短点連続を出すためのノブ加工
       



□(●●4)短点連続用ノブ。底に細いアルミの板を付ける □


上の写真の左側のノブを後ろ側から見たところです。底面に細長いアルミ板を付け、ノブの頭を押すとこの細長いアルミ板が下がり、りんせい銅の振動板に横に突き出た板を押し下げます。その勢いで垂直の振動板が震え、ネオジウム磁石の位置が上下に変化、それを磁気センサーが感知して短点連続符号を出すことになります。



(●●5)長点用ノブの形と接点の仕組み
       



□↑ (●●5)右側の長点用。底に接点とバネを付ける □


 右側の長点用ノブの底面。長点の接点となる部分です。ボールペンの軸に付いてたバネを底に差し込んで、自分自身で首を持ち上げるようにしてあります。さらにしっぽ部分に付けたネジに引きバネを追加しノブが戻る力を増しています。




(●●6)前面から犬バグの機構部分だけを見ると
       



□↑(●●6)正面の犬のイラストをはずして見たところ □


犬型バグの骨組み部分を正面から見たところです。このあと、ノブとメカの間に犬の絵を描いた厚紙を立てます。



(●●7)裏側から見た仕組み
       



□↑(●●7)短点レバーで中央のりんせい銅板が振動して短点の連続をだす □


裏側から見た犬型バグキーの機構です。中央の垂直部がりんせい銅の振動部。正面から見て左側になる短点用ノブを押すと、この図の右下に奥から突き出ているアルミ細棒が下がり、りんせい銅の振動板が左右に振れ、横に突き出したネオジウム磁石が上下振動し、連続して磁気センサースイッチをON/OFFすることで短点の連続が出ます。
同時に細い真鍮帯で尾を描いた紙片をゆらします。




(●●8)組み立てた機構に仮のイラストを付けて、動きを確認        



□↑(●●8)仮に付けた犬のイラスト。左の短点ノブを押すと、短点符号にあわせてしっぽを振る□


 ノブや犬の絵はまだ完成前の仕上げ作業中ながら一応、組み立てなおして動きを確認します。短点振動板上のバランス重りを動かしながら短点符号の出具合としっぽの振れ具合を調整します。



(●●9)犬バグに犬の鳴き声機能を追加        



□↑(●●9)左が振動センサーと鳴き声回路を追加したところ □


バグキーとしての動作と犬のしっぽの振れが完成し、しばらく遊んだり、飲み会で自慢していましたが、ローカルのJA1LNQ局から、せっかく犬の形をしているのだから、低周波発振器からの音が「ト」・「ト」・「ト」・「ツー」ではなく、「ワン」・「ワン」・「ワン」・「ウオーン」と犬の鳴き声になると良い!とアドバイス? を受け、取り組むも、むずかしい。とりあえず、ですが、振動センサーと録音基板を組み合わせ、キーを押したり、全体を叩いたりしたときの振動で小基板に録音した犬の鳴き声がでるしくみを加えました。
右側の写真の左側半分が追加回路です。 。



(●●10)キーイングとともにワンワン言う発振器を付加して完成        



□↑(●●10)見て操作して、聞いて面白い犬バグ=干支にちなみ戌式バグの完成 □


 なんとか発振器から「ワンワン」という音を出そうとして、オペアンプ回路集などの書籍を見てウイーンブリッジ回路をいじっている最中、偶然、「あれっ。ひょっとするとこれ、犬の鳴き声?」という音がでてきました。
そこで、これをもってワンワン発振器とすることにしました。

わんわん発振器については、別のページでご紹介する予定です。



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