□小型ながら心地よい打ち心地 □
手作りミニ電鍵は、かつて某雑誌に万能ラジオの製作記事を掲載したとき、機能の一つの電子ブザーを鳴らすために金ノコとタクト・スイッチを使った縦ぶれ電鍵らしきものを作ったのが始めでした。 後日、それをアマチュア無線の移動で使ったら、、あまりにも使いづらく、とくに短点の連続はまったくだめでした。 そこで通信でも使える小型電鍵の手作りがはじまったのです。ユニバーサル基板上にアルミ板や真鍮板をバネとし、タクト・スイッチを接点して組み合わせる。それを蒲鉾板にネジ止めするという基本構造は同じですが、操作性を追求する中でいろんなバージョンが出現しました。これは、改造を繰り返して残った3種類のミニ電鍵です。中でもいちばん右側の「3号電鍵」が操作性の点で今のところの最終版と考えています。
□↑ ユニバーサル基板上に機構を載せて、蒲鉾板に固定します □
はじめは、しんちゅう板でもアルミ板でも、それを板バネの力反発力としてノブで上下し、タクトスイッチをオン/オフしていたのですが、これらの板バネの反発力がもやっとしていてあまり良い感触ではない。ということで、ちょうつがいを使って、板バネの働きを無くし、その代わり、ノック式ボールペンに入っていたバネの反発力を使うことにしたのがこの3号ミニ電鍵です。
□↑ 二つのネジで接点間隔とバネの強さを調整します □
3号ミニ電鍵を横から見た写真と図。蒲鉾板はユニバーサル基板裏側の配線や、反発力用バネの部分など彫刻刀でけずってあります。間隔調整ネジを付ける金具は、手許にあったあり合わせのもので、穴にタップを切って4mmネジを取付ました(※→ この金具は手許にあったもの。かつてラジオキットRetradiを製造した時の残りで30個ぐらいあったので利用した)。
□↑ ユニバーサル基板上にハンダ付けして使います □
ここで使っているタクトスイッチは大きさ12mm角のものです。写真のようなものが適当です。それぞれクリック感、押しの強さに差があるので、自分の好みに合わせます。ここでは、一番左側の物(12mm角 JAE 61T−02)を使っています。この四つはすべて秋葉原の「鈴商」で一個50円ぐらいで売っていましたが、現在そのお店はなくなってしまい「秋葉原神社」になってしまいました。
□↑ すべて手作業。多少のゆがみが手作りのあじを出している □
手作り電鍵でも、ノブ(つまみ)はホームセンターなどにある小型のドアノブなど既成のものを使う例が多いですが、どうせ手作り電鍵なら、つまみも手作りで、と言うわけです。3センチ角に切ったかまぼこ板を2枚重ねて接着したブロックから、のこぎり、カッター、木工ヤスリ、そして最後に紙ヤスリで、すべて手作りしました。はじめはいびつになりましたが、それはそれで手作りの味がでています。 出来たら、透明ニスを3回ぐらい塗ります。
□↑ タクトスイッチなので、真空管送信機のカソードキーイングだけは避けたほうが良い? □
一番最初に作った万能ラジオの電子ブザースイッチは、とても電鍵とは呼べないしろものでしたが、手作りを繰り返していくうちに、自分の手になじんだものができるようになってきました。割合簡単にできてしまうので、しまいには作ること自体が面白くなって、はまりこんでしまいます。機械工具を使わないノブの手作りも、いろんな形ができて、また楽しいものです。ホームからの運用もこのミニ電鍵でゆっくりした符号を打つように心がけています。 工作室に戻る 別の電鍵日誌を見る