沼南(しょうなん)ラジオ工作室 「電鍵」工作日誌 2023年2月8日

=== 簡素な機構に加え短点をリード・スイッチ化。
「自作が簡単で動作も確実」なバグ・キー「GMO流2023年BUG1号」 ===
(お詫び:2023/4/6=寸法図中のリン青銅、真鍮板の厚さを修正しました)
           




□(23BUG−1) リードスイッチを短点接点とする □


電信交信のときに自作バグキーが話題になり、簡単にできるバグ・キーとして作ったのがこの2023年BUG−KEY1号。もともと簡単な構造に加え、短点を出すためにリード・リレーを使うことで、作りやすいバグを目指しました。原型は2017年酉年に作ったバグ・キー「酉型」。これはそれよりも構造が単純になりましたが動作は確実です。


のこ刃複式KEYの片側に短点用振動板をつけると・・・、 バグ・キーになる        




□(23BUG−2)「ノブ右」で短点連続 □


 基本構造はのこ刃式の複式電鍵の右側接点部に沿わせたりん青銅板を震わせることで短点連続符号を出します。

機械接点の代わりに振動板の先端に磁石を張り付け、その横にリード・リレーを置けば磁石が振れるたびにリード・リレー/オフを繰り返し短点連続符号が出るというしくみです。
各接点と端子間の結線はこの図のとおりです。


アルミ板(長点レバー)に付けたL型金具がリン青銅板を振動、先端の磁石が揺れる
       




□↑(23BUG−3)全体構造 □


見た目はノコ刃を使う複式キーに似ていますが、ここではノコ刃ではなく支点部には厚さ0.5mmの真鍮板を使い、それに厚さ2mmのアルミ板を添わせて操作レバーとしています。  ノブ先端部の左右(図では上下)に相対するねじの左側(図では下)が真鍮板と接する長点の接点、右側(図では上、アルミ板側)が短点振動板の振れ幅調整です。共につまみ付きのネジ(長さ約16mm)で間隔調整をしています。
■レバーを右(図では上)に振るとのレバー中央のL型金具(コイルなどの固定金具:秋葉原で30円で購入)が振動板を押して振動させます。
■リード・リレーは角度を変えることで振れる磁石との距離を変化できるように小基板上に片側のみ木ねじ止め。感度調整とともに連続短点の調子を変えられるようにしています。
■振動板先端は折れ曲げてあり、その先が”振動吸収”部の丸い金具に接します。短点を停止したときに余計な振動が残って短点におまけ(ゴミ)がつかないようにしています。この振動吸収の働きは完璧です。



23年簡単バグ・キー1号の構成パーツ一式
       



□(23BUG−4)部材一式。操作レバーと振動板部分は加工終え素材を組み立て済み。

木板上には部品取り付け位置を示した紙を貼ってある □


 構成パーツはこれですべてです。操作レバー、振動板は金属加工した素材をもとに組み上げた状態です。
■レバー、振動板の支点部分のL型固定金具は厚さ2mmのアルミ板を帯状に切り抜き、あとから示すように曲げ、穴開け加工します。
■基台部分は木板(厚さ1.2cm)を縦14cm、横7cmにのこぎりでカット。ここではその上に部品取り付け位置を描いた紙を貼り付けてありますが、それを目印として仮組み立て→位置・角度調整をして動きを確認した後、改めて正式組み立てをしました。
■各パーツの板上への取り付けは操作レバーの支点部のアングルはφ3mmのねじ、そのほかの部分はしかるべき適当な太さ太さの木ねじを使います。
■つまみはシナベニアを切りぬき、操作レバー手前のアルミ板を両側から挟んでネジ止めします。



各部寸法と組み立て図
       



□↑(23BUG−5)寸法図(2023/4月&12月に訂正、追加済み、最終版) □




操作レバーおよび振動板の支点部のL型アングルを作る
       



□↑(23BUG−6)2mm厚のアルミ板のカット、曲げたあと、穴あけへ □


振動レバー、振動板の支点部をがっちり挟んで固定するために、最低でも2mm厚のアルミ板を使用しますが、簡単に製作するためにはこれはホームセンター等で入手できる適当な形のL金具を利用するのもよいでしょう。



可動部パーツの元となる金属のカットと加工
       



□↑(23BUGー7)操作レバー、振動板用のリン青銅、真鍮、アルミ素材加工 □


操作レバーには真鍮(1mm厚)板とアルミ板(2mm厚)、振動板はリン青銅板(★0.2mm★<=0.5mmを0.2mmに修正:2023/4/6)を使用。 アルミ板の切断には鉄ノコが必要。
 薄い真鍮、リン青銅はハサミで切り抜けますが切り口は金づちでたたいて平らにし、穴あけ前には、センターポンチで軽く凹みを。薄いので穴開けはドリル刃の力でひねってしまわないように力加減に注意しながら行います。



振動板固定アングルの取り付けと加工        



□↑(23BUG−8)振動板支点部。振動調整ねじ穴には”ねじみぞ”を切る。 □


リン青銅の振動板は支点(根本)部をアルミで作ったLアングルで左右から挟み込み、2本のねじでしっかり固定します。もう一つの太い赤矢印 の穴はφ3mmのねじ溝を切り、振動幅を調整するためのつまみ付きねじ(ねじ部分の長さ16mm位)を回転して出し入れできるようにします。



操作ノブと振動板の詳しい形
       



□↑(23BUG−9)振動板の固定金具の細部と操作レバーの金属板の重ね合わせの様子 □


操作レバー、振動板の木板への取り付けの詳細です。木板(基台)への取付は操作レバーは板の底からφ3mmのねじで、ねじ頭が沈むようにして固定しました。振動板は上から木ねじで固定しましたが、使用ネジの形状が皿ねじだと、締め付けていくとアングルがずれて振動板の角度が変わってしまうことがあるので、図の左下に示すように、斜めのざぐりを入れます。 @@@@@



リード・リレー&磁石による短点接点、振動吸収部の詳細        



□↑(23BUG−10)リード・リレーと磁石、振動吸収部が このバグ・キーの要となる □


振動吸収部の取り付け角度は、振動板先端の曲がった部分が軽く吸収金具(ジョイント)に触れるような状態になるようにして木ねじで固定します。 なお、振動吸収部はこの図右上のように、既存のL型金具と大きめな丸ねじで作ることもできます。

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板上への部品取り付け過程と各部詳細
       



□↑(23BUG−11)振動板アングルの固定部や操作レバー部の長点接点ねじ、振動板振動調整ねじの位置関係の様子。 □


■今回の製作では正式組立の前に動作を確認する必要があったので、木板に部品取り付け図の紙を貼り付け、その上に部材を仮付けすることで、正しく動作する時のレバー、振動板の位置と角度を確定しました。
■そのあと全パーツを外し、基台の木板に布に染みこませた油性カラージェルニス(ウオルナット色)をこすりつけ、塗装。あらためて部品取り付けをしました。
■振動板取り付けから開始、操作レバー、長点の接点、リード・リレー、振動吸収、接続端子を取り付け、リード・リレーと長点の各接点を並列にして外部端子に結線して完成です。
(端子と各接点間の結線は2ページめの動作のしくみ図に示すとおりです)。



簡単な構造の「2023年BUG1号」完成
       



□↑(23BUG−12) 2023年1月に完成。速度調整はミノムシクリップで□


2017年酉年に作った簡単バグ・キーの短点部接点を機械式から磁石とリード・リレーに置きかえることでさらに簡単する目的で取り組んだ仮称「2023年BUG1号」の完成です。
■L型アルミアングルはふにゃふにゃせず、ある程度の強度をもたせるため2ミリ厚のものをむりやりにカット・曲げ加工しましたので少し手間がかかってしまいました。この部分はホームセンターなどで手頃な金具を探して利用してもよいかもしれません。
■単純な構造ながら一応バグ・キーとしての機能は果たしてくれるので実際の電信交信でも安心して使える操作感があります。
■速度調整は振動板にミノムシクリップを挟み、前後に移動させると短点の速度が変わるので、それに合わせた速さて長点の操作をすることでおよそ、和文40〜80文字/分、欧文で70〜90文字程度の速度変化ができました。
■木板だけでは机などに固定しなければノブ操作で本体が左右に動いてしまうので、ホームセンターで購入した約18cm×8cm、厚さ0.8mmぐらいの鉄板を10枚重ね、1キログラムの”おもり”として張り付けています。

以上、「作りが簡単」を目指したバグ・キー「GMO流2023年BUG1号」の説明でした。参考にしてみてください。
de JA1GMO 2023年2月



■この2023年簡単バグ1号の動画。日誌ページから飛ぶのと同じ内容ですがYuoTubeにアップしました。(下)ここに戻るには、使用ブラウザの戻る(←)で戻ってください。↓↓
GMO流「2023年卯年簡単なバグ・キー1号」の動画を見る

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