沼南(しょうなん)ラジオ工作室 「電鍵」工作日誌 2016年 ”10月9日”

===(15) 小型でしかも重い基台なしで使える ====
「2キイ縦押し式」半自動電鍵 
           




□(15−1)普通のバグ・キーの感覚で操作できる □


 小型で重い基台なしで使えるバグ・キーを目指して試行して、一つの山形スイッチの左右を短点、長点と振り分けて押す形で作りましたが、自然な打鍵ができませんでした。
 キイを二つに分けて、指をやや斜め下にうち下ろすようにしたら頭が混乱せずに自然に操作できるようになりました。

 



シーソースイッチ型から脱却。新たに2キイ式で発足
縦打ちだが、バグキー操作に近づける
       




□(15−2)シーソースイッチ型を2キイに改造 □


かまぼこ一枚板に作ったシーソー式半自動電鍵は頭で考えながら操作しなければならなかったので短点、長点を二つのキイに分けました。その結果、ほぼバグキーの感覚で指を動かすことで符号が出せるようになりました。
 それにはキイの形が重要です。いろいろ試しています。スペースの都合で右の長点のキイの向きが直角になっています。





正式に2キイ半自動電鍵の製作開始
       



□↑(15−3)山形シーソースイッチ型発展型の2キイ(右)から正式2キイへ(左)


山形からの改造2キイ(右)で一応の操作が確認できたので正式に2キイ型を作ります。サイズは少し小さいですが、古いかまぼこ板がでてきたのでその上に作成。
 左右の二つのつまみの形状はスムースな操作にとても重要。 指にピッタリはまり、指先で軽く斜め下に押し下げるようにすることで、縦の動きを生み出します。



「2キイ半自動電鍵」最終版の基本が完成
       



□↑(15−4)細部の修正はあるが、完成に近づいた □


 動作試験の段階では短点接点やクランプ金具で仮止めしていた磁石を付けた縦の小カマボコ板を正式にしあげ、二つのキイの形状も指がぴったり合うように修正。
縦の板の振動板の反対側には丸い磁石が貼ってあります。短点振動板上のウエイト(ネジ)を適度に吸い寄せることにより振動板の跳ね返りを防ぐとともに短点キイを押した時、適度なネバリを生み出して、連続短点をスムースに出す役割もしてくれます。四角いのは、磁力を高めるための鉄ですが最終的にははずしました。



「2キイ縦押し半自動電鍵」現時点での完成版
       



□↑(15−5)各部の寸法調整や保護板をつけ、一応完成 □


 動作を確認し、最終的に少しだけ体裁の取り繕いをおこないます。後ろ側のアクリル板はひ弱な振動板の保護のつもりです。
 
 山形シーソー式からの発展型として完成しましたが、操作感覚は格段に向上しました。いままで自分が作ったどのバグキーよりも軽い操作で符号が出せるような気がします。とは言え、実際の交信に使ってはいませんので、そこは? ですが。ともかく最初の目標であった、小型カマボコ板の複式やバグでも重たい基台(ベース)なしでそのまま使えるもの、という目的を達成し、かつ、操作性も向上ということで、まずは成功としました。、  左のキイは親指、右のキイはひとさし指を添えてやや内側斜め下に向けて指を動かすことで、自然に符号が出せます。シーソー式の時の頭で考えながらの操作とは全く違い、快適です。(自画自賛です)
(記 2016年10月9日) JA1GMO



改良続け、ユーモラスな「キツツキー」となる
       



□↑(15−6)キツツキー(きつつKEY)となる。□


 その後、接点部分改良などを続け、動作も安定しました。短点ノブの操作とともに左右に振動する振動板を見ていたら、思いついたのがこれ。振動板にキツツキの絵を、右側の縦板に穴の開いた木の絵を張り付けることでみごとにきつつきが木の穴を叩く様が実現しました。
 名付けて「キツツキー」。キー操作とともにきつつきが木を叩く姿はユーモラスです。

CQ ham radio誌の2018年6月号でメモリーキーヤの記事を執筆掲載したときに、このキツツキーもあわせて誌面で紹介いたしました。
(追記 2018年6月19日) JA1GMO

■YouTubeにこの電鍵の動画をアップしました。(このページには使用ブラウザの「戻る」機能(←)で戻ってきて下さい。)↓↓
■YouTubeアップ動画を→□見る 

工作室に戻る  ←前頁(14)山型スイッチ式 次頁(16)つまみ回転式→ 電鍵一覧