沼南(しょうなん)ラジオ工作室 「電鍵」工作日誌 2016年 ”11月5日”

==(16) 重い基台なしで使えることを目指した ==
「四股踏み型回転式電鍵」 
           




□(16−1)ツマミを回す回転式複式電鍵 □


 一昨年(2014年)ハムフェアで拝見したJAφPX斎藤氏考案製作の回転式はドアノブ状の大きい丸いツマミで操作するようになっていたと記憶しています。今年(2016年)のハムフェア会場で拝見した同氏の最新型回転式は軸の下側からノブを操作するようになっていました。当工作室の2016年9月「電鍵工作収録日誌(No.11)」はその斎藤OMの最新回転式をお手本に製作したものですが、今回の回転式は重い基台なしでも電鍵本体が左右に動かないことを期待して2年前に拝見した「ツマミ回転式」で製作してみました。      

 



回転の方式は...
バネと二枚の金属板を使ってみました
       




□(16−2)「キツツキー」と同じく、かまぼこ板は横位置で使いました □



ツマミで回転軸を回転させて符号を出すので、電鍵本体に左右の水平方向の力が加わらず、重たい土台を付けたり、机にネジで固定する必要がありません。回転させる接点部分に少し工夫をしてみました。  





この金属板の接点の動きは、、、、
       



□↑(16−3)お相撲さんが四股を踏んでいるように見えます 


これは試作実験中の状態ですが、複式電鍵としての接点は、つまみの回転により左右の金属帯を交互に下に敷いた金属板(この実験段階では仮にアルミ板を使用、正式版ではりん青銅)にたたき付けるような形です。二つの金属帯の素材はりん青銅です。先端にはリレーの接点をハンダ付けすることも考えましたが、まずはそのまま先端を少し曲げてとがらせただけで下側の金属にぶつけてみました。低周波発振器につないでもそれほどのかすれ音は感じられないのでそのままで使っています。
 ツマミの回転による金属帯の動きは、お相撲さんが四股を踏んでいるような感じです。



「四股踏み型回転式電鍵」をかまぼこ板上で正式組立
       



□↑(16−4)MDF板上での動作テスト結果をかまぼこ板上で再現、製作 □



 初め、操作ノブは大きめが操作しやすいだろうとの予測で直径4.5センチのツマミを付けました。四股を踏む二つのりん青銅の帯の先は少し曲げて角のとがった部分を下の金属板に当てるようにしました。それを受け止める金属板もまた、りん青銅です。  
 回転部分は(No.11)の9月に製作した回転式と同じく糸かけダイヤルの軸です。左右ねじりの反発力を生み出すために、昔のマイコン用カセットレコーダを分解した時に沢山出てきた小さな「バネ」を活用しています。適度な戻りの力が働き、操作感覚は悪くはありません。
   



「四股踏み型回転式電鍵」使っています
       



□↑(16−5)1符号を出すごとにつまみから瞬間的に指を離すのがコツ □


 重たい基台を必要としないとは言ったものの、カマボコ板の底面と机の摩擦が少なく、ツマミを回転するたび板が少し滑ってしまいました。手許に滑りどめのゴム脚がなく、当初の目的には反しますが、ズルをして100グラムのアルミ製ツマミを重りとして乗せてしまいました。操作ツマミの後ろにある丸いものがそれです。
つまみを握りつづけて操作すると粘った符号になりがちなので、一文字ごとに瞬間的に指をつまみから離すとよいようです。 そのため、 操作ノブとなるツマミの寸法は、当初の4.5センチから操作しやすい、少し小さい3センチの金属ツマミに変更しました。


2010年5月 「四股踏み型の接点を" 足踏み" ぐらいに改造」
       





□↑(16−6)大股に接点を開く必要は無かった。少し使いやすくなった感じがする □


 これまで作ったいろんな電鍵も常に修正を加えて形が変わってきていますが、これも少し修正を加えてみました。左右に大股で広がっていた2本の接点の帯の先をくるくると丸めて、小股にしてみると、僅かな回転で符号が出せるようになり、さらに丸めた真鍮の弾性が高まったことで手応えもあがりました。さらに、大げさに手首を回転せずに符号がでるので、乗せてあった重りも不要になりました。


(記 2016年11月25日=>2019年5月1日 追加) JA1GMO

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