沼南(しょうなん)ラジオ工作室 「電鍵」工作日誌 2016年9月

=== (12)自作バグ・キー「かまぼこ板2号」 ===
           




□(12−1)かまぼこバグキー1号の気になる点を改良 □


多くの方々に触っていただきながら改良することでかまぼこBUG1号も一応実用の域に達したと思っていましたが、常に調整していないと安定した動作になりません。気になっていた、軸のがたつきや、バネ、速度調整などの部分を新しくしてかまぼこBUG2号を作りました。

  軸部分はボリウムを利用、かまぼこBUG1号ではリードスイッチだった短点の接点は、機械式の接点にしました。



安定した動きに加えて機械的堅牢さもアップしたい・・・。
       




□(12−2)スムースな動きでがたつきのない軸受け部分がポイント □


 これまでのどの電鍵でも同じなのですが、回転軸をしっかり固定して、かつ動きがスムースなものを求めてきました。カマボコBUG1号では、3mmのネジを軸にして上下を保持していますが、レバーを下に押すとふらふらしてしまいます。
 小型のボリウムをバラして、回転軸に短点のレバーを固定。さらに上部にネジを伸ばしアルミアングルの小穴に通すことで、ほとんどぐらつきは感じなくなりました。





かまぼこBUG2号、板上に仮に部材を乗せる
       



□↑(12−3)板上に部材を乗せたり外したりの繰り返しで □


一部分の部材を作り、それを板上に乗せて位置や寸法を確認しながら次の部品を作って付けて見るという試行錯誤で作業を進めます。操作レバー部分は、ここではノコ刃を使うつもりでしたが、動きが固いので薄いアルミ板を支点にして竹の板をレバーとすることにしました。それに伴い固定用のアルミ金具も作り替えることになります。  




かまぼこBUG2号、軽い操作感をだすための工夫
       



□(12−4)短点レバーを押すためのネジ □


 かまぼこBUG1号では最初短点を出すため板バネを使ったのでレバーを勢いよくエイッと右に振らなければなりませんでした。後にコイルバネに変え、さらにその長さを調整することで、軽く動かせるようになりました。2号でもほぼ同じ位置にコイルバネを付けました。そのための小金具もアルミ加工して作成しました。



かまぼこBUG2号操作レバー部分の加工
       



□↑ (12−5)操作レバー部分の形は複式電鍵 □


仮の部材をかまぼこ板に乗せて動かしてみながら部品を作って行くという行程で、操作レバーも最初のノコ刃式では固いので支点部分を薄いアルミ板にして、竹の板を沿わせることにしました。長点の接点部分はリン青銅の板を付けることにしました。
 固定部分が三角形にせりあがっています。ここに付けたネジが短点振動板のストッパとなります。この調整でも短点の振動速度が変わってくる大切な部分です。




仮乗せしては外し、かまぼこBUG2号の部材が最終的な形に近づいてきた
       



□↑(12−6)板に乗せたり降ろしたりしながら大体の部材が最終形に近づきました □


製作前の構想で仮に作った部材も実際に板に乗せてみると他の部品と干渉してしまったり、動きがぎこちなかったりで、作り直していきます。この、付けたり外したりしながら、ああでもない、こうでもない、とやっているのが面白いのです。
 カマボコ板の大きな穴は壊したボリウムの軸受け部が入ります。こんなに大きくする必要はないのですが、位置を間違えて修正しているうちに大穴になりました。
ほぼ各部品の形が決まったら、今度は最終的に組立です。さっき上手く動いたのに本組立になると動かない、というようなこともしばしばですが、楽しみながらの作業、それもまた良しとしています。



かまぼこBUG2号、組立開始
       



□↑(12−7)ボリウム軸に取り付けた短点振動板をかまぼこ板に固定 □


 いままでの自作バグキーの振動用バネはすべて幅5ミリの430メガループアンテナのエレメントを使っていましたが、何となくひ弱で気になっていました。先日、回転式電鍵を作るのにリン青銅の板を秋葉原で購入したので、今回はそれを幅1.5センチに切り取って使います。但し、厚みは0.2ミリしかないので、それはそれで心配ですが。
 バネとして使うのは長さ2センチのみでその先は銅板をハンダ付けして、上部は速度調整用の重りを移動できるように細工しました。



操作機構部の組立終わり、調整はこれから。        



□↑(12−8)機構部分の取付が終わったが、肝心な調整はこれから □


操作レバー、短点振動板の操作部分が組立終わり。つまみはこれから作成。シナベニア板を切って磨き、塗装します。一番肝心な部分が短点の振動板に付ける接点の調整。取り敢えず長さ4センチ、幅5ミリのリン青銅の先端に電池ケースのプラス極板の●部をハンダ付けし、Uの字がたに折り曲げ、銅の振動板にハンダ付けしましたが、、、。



各部を仮結線して、動作確認と調整
       



□↑(12−9)低周波発振器につないで動作を確認しながら調整する □


 つまみと外部端子はまだ付いていないが動作する部分の取付は終わり。ワニグチクリップのコードで練習機につないで音を出しながら調整。
 長点はもちろん問題ないが、短点を連続挿せると、最後の点の後におまけのゴミが付いて来る。接点を良く観察すると、振動板が戻って固定したあとも接点の先端がわずかに振動していて、それがゴミになることが判明。広げると4センチだったU字部分を2センチに切りつめることで、細かい振動が残らなくなりました。
 重りをスライドしたり、ストッパのネジで振動板の横揺れ幅を変化させることで、速度調整も、かなりゆっくり(多分30文字位)からちょっと高速(多分80文字位)まで出来ました。



かまぼこBUG1号で気になっていた部分もこれで解消
       






□↑(12−10) かまぼこBUG2号完成 □


 先日実家の近くのファミレスでJA1FCQ、JA1DSX両氏に回転式とかまぼこBUG1号を披露した時、バグキーはDSX氏の静かな操作では短点信号が出てきませんでした。それで、ああ、こんなわずかの、しかも穏やかな動きで短点が出なければいけないのだ、と知りました。
 それが今回かまぼこBUG2号を手がけることになった理由です。おかげで、ゆっくり、レバーを右に動かすだけで連続短点が出るようになりました。自作無手勝流でやってきたバグキーは、少し進化したのかな、と自己満足しています。

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