沼南(しょうなん)ラジオ工作室 「電鍵」工作日誌 2017年2月

===(No.18)かまぼこ板上に製作した自作「全自動バグキー2号」 ===
           




□(18−1)長点、短点全自動バグの機構をかまぼこ板サイズで □


ワインボトルホルダ上の2レバー全自動電鍵完成は2016年12月2日。それを使って7N2KRY局との交信時、全自動であることを伝えたら興味もっていただき、年末の和文電信同好会の忘年会に持参する旨をお伝えしました。しかし、寸法が大きいので、例によって「かまぼこ板」で別の全自動バグを作る気になりました。
 同12月12日、かまぼこ板全自動バグの研究を開始、1週間後の同12月19日完成。これなら肩掛けカバンに入れて忘年会に持っていけそうです。



かまぼこ板全自動は1レバーのリードスイッチ式で
       




□(18−2)ワンレバー方式をノート上でまず研究 □


かまぼこ板の全自動、実は11月から研究ノート上ではあれこれと絵を描いて構想していたので、さっそく「ワンレバー」製作に着手。以前作ったリードスイッチ式複式電鍵1号(No.6で掲載)をベースに全自動に作りかえていきます。
 仕組みは簡単、のこ刃式複式電鍵のレバーで左右の接点付きバネを揺すぶって長点、短点の連続を出します。長点の振動板は長い周期、短点の振動レバーはそれより短い周期で振らせます。接点はやはりリードスイッチと磁石を使用します。仕組みは簡単と言いましたが、それを上手く動作させるのには苦労しました。





以前作ったリードスイッチ式の複式を改造して全自動バグキーにする
       



□↑(18−3)リードスイッチ式複式電鍵を分解、土台だけにする □


 描いた図のかまぼこ板上の全自動バグはノコ刃式複式電鍵のレバーで左右に短、長の振動バネを揺すぶる構造です。というわけで以前に製作したリードスイッチ式複式電鍵(このページのNo.6:2017年7月15日掲載)を分解して作り直すことにしました。
 はじめはリードスイッチや端子類をはずして操作レバーだけに。   




長、短2本の振動用バネの部分を作る
       



□(18−4)2枚の振動板を仮に付けてみる □


 長、短両方の振動バネの部分を作ります(写真左)。このバネは、厚さ0.2ミリのりんせい銅を幅1センチの帯状に切ったもの。先端にこれまでよくバグキーに使ってきた430メガループアンテナの素材(鉄?)をハンダ付けしたものです。この鉄?の部分に磁石を貼り付ける予定です。短点用バネには重りをスライドさせる細工を施しました。
     これを板上に仮に乗せて位置を確認。二つのバネの間に複式電鍵のようなレバーが入ります。複式電鍵の時の二つのリードスイッチは金具などそのままで磁石に対応する板の先端部分に置きます。  



操作レバーで両脇の振動バネを押す形に 
       



□↑ (18−5)2枚の振動板の間に操作レバーをはめこんでみる □


 正式な組立前に各部材を仮止めして動きを確認します。振動バネの根元はL型に曲げたアルミ金具で固定。複式電鍵の時の操作レバーには二枚の振動バネを突っ付くためのネジを付けてあり、これで左右のバネをゆさぶります。レバーを左右に振って左右のバネも振動することを確認し、ひとまず部材加工は終わり。このあと正式な組立てを行います。




各部材ごとの調整後、一度分解して再度組立開始
       



□↑(18−6)かまぼこ板上での寸法合わせ後の各部材。これで組み立てていく □


 仮組立と動作試験で一応の部材の確認ができたので、一度バラバラにして、改めて組立開始します。かまぼこ板上に2枚の振動バネ先端に木の切れ端で三角山型のストッパを接着。リードスイッチは取り敢えず、複式キーの時のものを横位置でネジ止めしましたが、これから調整して位置や角度を決定します。
 ノブが付いている操作レバーは、複式電鍵だった時そのままで、真ん中に磁石が埋め込んでありますが、最終的には、りんせい銅により新たなものを作って取り替えました。  



長点、短点それぞれの磁石、リードスイッチの位置調整
       



□↑(18−7)長、短ともリードスイッチは以前複式で使用した二つをそのまま利用 □


操作レバーと長、短2枚の振動バネを固定して、レバーを動かしながら短点、長点符号が連続するようにそれぞれのリードスイッチの取付位置、角度を調整。各バネの先端には100円ショップで手に入れたマグネットクリップを貼り付けています。
 長めの長点の信号を出すためには、先に製作した全自動バグ1号で調べたリードスイッチの感度領域を前提にリードスイッチの位置や角度を変えていきます。しかし、狭いかまぼこ板上でのこと、最適な位置決めに苦労しました。試行錯誤の連続でともかく位置を決定。



組立と調整終了。バラック状態だが、なんとか動作している        



□↑(18−8)各部調整しながらの組立でまだバラック状態 □


 一応の組立、調整を終えて長、短の連続符号が自動的に出るようになった。振動バネに貼り付けた長点用の磁石は、まだマグネットクリップそのものを鉄板に張り付けただけですが、そのツマミをつかんでスライドさせて位置調整するには便利。
 既製作のかまぼこ電鍵固定基台に乗せて操作。このあと、さらに体裁の修正を行う予定。



GMO流 かまぼこ板ワンレバー全自動バグキーが完成 
       





□(18−9)動作確認、体裁取り繕い後のワンレバーかまぼこ板GMO流全自動バグ □


 和文電信の忘年会に大型の全自動は持って行きづらい、ということで製作したかまぼこ板全自動電鍵(バグキー)、操作を確認したところで「見た目」の改良を行い、完成。磁石、リードスイッチ(センサースイッチ)、重りの位置、振動バネの長さなどを調整して短、長1対3の比率が実現したものの、速度調整は簡単にできません。現在のところは、和文で40文字? ぐらいの速度で、先の1号と同様、ゆったりめの速度です。まずは、これで訂正符号を出さないような確実な操作を目指すことにします。
製作:2016年12月15日、記:2017年2月16日 JA1GMO

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