沼南(しょうなん)ラジオ工作室 「電鍵」工作日誌 2016年8月

===(9)自作バグ・キー「3号」 ===
           




□1、2号の実験を経て実用的なキーをめざす「3号」の最終版 □


MDFの板切れ上の第2号バグ・キーをもとに、いよいよ少し実用的なものを目指して製作した第3号バグ・キー。これは、改造を重ねた、3号の最終版で、ゴテゴテいろんなものがのっかった形になっています。ここに至る過程を以下に示します。



使い勝手を追究しながら改造を繰り返した自作バグ・キー「3号」
       




□↑ 改造ポイントは短点用の心棒、振れ止め、接点など □


3号バグ・キー、作った直後からあちこち手を入れて修正の連続でした。短点のバーをがたつきなく保持することがまずは課題。長いねじをアルミ板ではさんだり、プーリー式ダイヤルの軸を流用したりして作り替えていきました。最終的には、回転軸を上下でしっかり保持するのが一番とわかりました。





2号バグ・キーでの研究をもとに「3号」の製作開始
       



□↑ 土台は100円のワイン・ボトルホルダーで、、、(日誌;16/6・15記) □


2号バグ・キーの製作体験を活かして3号バグ・キーに挑戦。まずは、手元の長点と短点のレバーの機構部分から。アルミの四角パイプに長めのねじを「軸」として付けて、上下をおさえましたが、やはり「ガタ」がでます。  




3号バグ・キー。ベース部分の工作
短点バーを抑える支点部分に苦労
       



□↑ アルミ板のアングルで短点側バーをしっかり保持するのに苦労 □


レバーの部分の機構はアルミ板を加工して作成。長点用レバーは、ノコ刃の複式キーと同じもの。短点のレバーは中空四角のアルミ棒。その先端のビヨンビヨンするばね状のものは、1号の時からずっと、ハムフェアで入手した430メガのループアンテナのエレメントを利用。幅5ミリしかなくて、たよりないものの、他に適当な部材がみつからず。



第3号バグ・キー、初期段階
       



□↑ 先に作った「2号」よりは見た目と操作ともに進歩したような感じですが。 □


なにしろ、幅5ミリのだらんとした振動板に、接点のベロや重りをスライドさせるための真鍮版を半田付けするので、重くなって前方に傾斜(たれさがるようになる)するのがとても気になる。
ともかくこの状態で一応の動作はすることは確認できたが、、。斜めに伸びているのは短点レバーをひっぱるばねですが、適当な長さのが無くて、こんな形になっている。
つまみはそれらしいものを付けてみたが、操作感はよくない。このあとすぐに板切れで作ったものに変更。




もっと軽く動くレバーはできないか? やっぱり動作に不満で早速改造。第一段階改造結果
       



□↑ 短点バー、支点部分含めすべて作り替え。スポンジの振動防止から緩めのねじに変更 □


はじめは短点レバーの回転軸を上下からをアルミ板で押さえる形にしたのだが、工作が緩いので「ガタ」があってどうしてもレバーが前に垂れ下がる。
ラジオのダイヤルプーリーの軸を支点として短点レバー部分を作り替えてみる。これで、少し改善されたがまだ「ガタ」はある。精神衛生上よくないですが、やや進歩。



3号バグ・キー、さらに改造。 リードスイッチと機械接点切り替え式に
       



□↑ 3号バグ・キー、機械式接点にリードスイッチの接点も加える □


JH1MMW局からバイブロプレックスのバグ・キーの短点用接点をリードスイッチに付け替えたものを見せてもらいました。とても精密な加工がおこなわれていました。それに刺激されてをこの3号バグ・キーにもリードスイッチを付けました。機械接点は練習用発振器につなぐとザリザリした感じの音になるのに、リードスイッチに替えると澄んだ音になります。
 切り替えスイッチを付けてその変化を実感できるようにしてみました。なお、長点、短点の機械接点にともに0.47マイクロ・ファラッドのコンデンサを並列入れてあり、これでノイズはやや解消されてはいます。



短点バーの振動吸収対策。振子を作って付けてみた        



□↑ これで振動がうまく吸収できるようになった □


バグ・キーの2号のときから、短点接点の「暴れ」対策に悩んできて、この第3号バグ・キーでも、短点バーの先端をはじめはスポンジ、次に少し緩めにしたねじにぶつけるようにしました。
  スポンジは跳ね返ってしまい駄目。緩いねじは、それなりの効果がありましたが、音がガチャガチャとうるさい。そこで、振動を適当に受けて吸い取る「振子」にしてみました。音の点は、ねじよりわずか静かな程度ですが、振動吸収の点では、かなり改善され、一応、満足です。



最終段階は重りを抱かせて、3号バグ・キー改造はこれで終了
       



□↑ 3号バグ・キー、最終段階の改装もここまで。 □


以上のような経過を経て第3号バグ・キーは少しづつ改良できました。最初の写真で「文鎮」が添えられていますが、左右にレバーを操作するとそのままではキーごと左右に動いてしまう。そこで、はじめは板にねじ穴をあけ、机にねじ止めするようにしていたのですが、机上でいろんな自作キーを試す時にいちいちねじをはずすのは面倒。
  ということで、380グラムの文鎮を添えるための板をつけました。この文鎮、次の「自作バグ・キー4号」でも使うことになります。
 1、2、3号と自作して、ようやくこの3号の最終改造キーで、実際の無線交信に使うことができるようになりました。速度もゆっくり目からちょっと速めぐらいで変化可能です。



これで終了と、思ったバグ3号もさらに変化が・・・。
       




□↑ 3号バグ・キー、機械接点のみに戻す □


これで最後と思った改造も、使っていると気になる点があり、結局リードスイッチを廃し、もとの機械接点のみにした。製作したバグキーがすべてリードスイッチになってしまうのは残念。せっかく苦労して製作した機械接点のバグキーを残そうと思った結果です。
  接点の位置、形の再調整で、機械式でそれなりの動作になりました。さらに、振動部分のカバーを付け、使用上の安定も確保しました。2016年8月15日現在、実地の電信交信でもなんとか使える状態になっています。 。
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